かけた情けは水に流せ。受けた情けは石に刻め。 【仕事術:記事189】
『かけた情けは水に流せ。受けた情けは石に刻め。』
この言葉は、自分にとって 『仕事の師匠』である方から、いやというほど、大切さを思い知らしていただいた言葉だ。
この師匠は 出会った時から、私を可愛がってくれて、仕事のイロハ ~ いろいろと厳しく指導してくれていた。
この師匠は、会社の引退間際で、とくに 後輩を育てよう・・・という思いをお持ちで、時間的に余裕があるから、気づくと・・・ 一日に何度も・・・ 思いついたアドバイスを 電話やファックスで 私に伝えてくれた。
その ひとつひとつが自分には、『目から鱗』で新鮮で、大変勉強になった。
約12年前、自分のやっていた ある大きなプロジェクトに対して、その師匠は いつもの、私がやるプロジェクト以上に 気にかけてくれて・・・いろいろとアドバイスをくれていた。
ただ、自分のほうが、なまじっか ちょっと仕事を覚えて、自信をつけて、だんだん天狗になりかけてしまっていたのか・・・???
その師匠のアドバイスが 多少、『面倒・・・???』に思うように感じる場面も多少、出はじめていたように思う・・・
あるとき、師匠に電話したら、電話に出てくれない・・・
何度しても、電話に出てくれない・・・
そうしてるうちに、私の上司から、 師匠がもう私からの相談には乗らない・・・とご立腹であることを聞いた・・・
私は、謝りに行っても、取り合ってもらえなかった・・・
といっても、心に『なんで そんな 急に怒るの???』みたいな思いも多分にあった・・・
何度かそういうやりとりをしてるうちに、やっと電話が通じ・・・
その師匠は、
『受けた情けは石に刻め。かけた情けは水に流せ。』・・・この言葉の本質を考えてこい。この本質がわからない人間とは、もう一緒に仕事をしたくない。付き合いたくない。と言われた。
自分は考えに考えて、師匠に 電話で聞いていただいても、師匠の満足する答えを出せなかった・・・二日間くらい・・・
● 恩を忘れない・・・
● 感謝気持ちを忘れない・・・
それくらいしか、考えれなかった・・・
でも、なんとか、師匠との関係を修復したい一心で考えに考えた・・・
なぜ 恩を石に刻むのか・・・・???
強い思いを心に刻む意味もある・・・
そして、自分が居なくなっても、自分の感謝の気持ちを わかってもらうように伝えたい・・・ そういう気持ちの表れなのでは・・・?
夜も遅くなっていたが、師匠に電話をしたら、出てくれた・・・
思いついたことを伝えると、『そうだよな・・・』『そうだよな・・・』と言ってくれた。
師匠の言葉を借りれば、
誰でも感謝の気持ちは多少なりともあるが、 それをきちんと心に刻んで、そして、(石に刻むくらいの思いで)きちんと相手に『伝える』ことをしなければ、全く相手にわからない・・・
「ここ最近のお前は、私がアドバイスしたことも やったのかやっていないのかも報告してくれないから、こちらからのアドバイスをもう求めていない」と思っていた・・・とも言われた。
『伝える』ことの大切さを教えていただいた。
そのありがたくも、厳しい経験以来 ずっと
自分は、老若男女問わず
自分に アドバイスをくれた方には
◎ そのアドバイスに対する 進展状況=途中経過の報告
◎ そのアドバイスを実践してみた結果
◎ さらに、そのアドバイスを実践したが故に 気づいたこと 見えてきたこと に対して どういい手を打ったか?
を 求められる 聞かれる前に こちらから 報告させていただくようにしている。
あのときの 心を鬼にして 私に教えてくれた師匠に いまも感謝の気持ちでいっぱいである。