kenkostyle2050’s blog

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働き方改革関連法案について③【その他:記事236】

2015年の働き方改革関連法案との相違点

今回の働き方改革関連法は、過去遡ると、2015年の安部第三次内閣より検討されてきた。以下が改訂されている。

・時間外労働割増賃金の支払い義務
年次有給休暇の確実な取得
フレックスタイム制見直し
・企画業務型裁量労働制見直し
高度プロフェッショナル制度創設など

2019年の働き方改革関連法との違いは、

「企画業務型裁量労働制見直し」が含まれている一方で、

「割増賃金率」の中小企業猶予措置が廃止され、

「残業時間の上限規制」

「雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」

「労働者に対する説明義務の強化」

「行政ADRの整備」

産業医・産業保健機能の強化」などが明文化され、より具体的に企業に対して強制力を持った内容となっている。

 

改正内容&施行時期まとめ

今回の働き方改革関連法の改正内容のポイントは以下の通りだ。

【ポイント1】
時間外労働の上限規制の導入【施行:2019年(中小企業2020年)4月1日~】
時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、
臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、
複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定する必要がある。

時間外労働の上限規制の導入

【ポイント2】
年次有給休暇の確実な取得【施行:2019年4月1日~】
使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、
毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える必要がある。

年次有給休暇の確実な取得

【ポイント3】
正規・非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の禁止【施行:2020年(中小企業2021年)4月1日~】
同一企業内において正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)の間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに不合理な待遇差が禁止される。

正規・非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の禁止

出典:厚生労働省愛知労働局ホームページ

関係施策の項目と開始時期一覧

関係施策の項目と開始時期一覧

大企業と中小企業の範囲

働き方改革関連法に関して、対象企業は「大企業」と「中小企業」に分かれる。
働き方改革法における「中小企業」の定義は以下の通りである。
「大企業」に関しては、以下の表に該当しない場合、ということになる。

働き方改革法における「中小企業」の定義

 

働き方改革関連法の施行に合わせて、企業が対応すべきこと

企業側ではどのような準備をすべきであろうか。

1.残業時間の上限規制
全社を挙げて残業削減に対する取り組みを行う。そのためには、勤務に関する規定を改正・整備するほかに、業務内容や工程の抜本的な見直し、社員の配置転換を再検討することも必要だ。これに伴い、勤務に関する規程を改正・整備する必要も出てくることもあるだろう。

2.有給休暇の取得推進
有給休暇の取得促進には、上長の理解がもっとも重要だ。
休みにくい空気は、上長が作りだすことが多い。そのため、上長に対しての教育は重要であり、繁忙期閑散期のバランスを考慮し、部下全員が休みを取りやすい仕組みづくり検討させることが必要である。

3.同一労働同一賃金の制度適用
正社員と非正規社員の待遇差をなくすため、賃金制度や人事面での改革が必要になる。待遇差をなくすために正社員側の賃金を引き下げたり、手当をなくしたりといった対応は決してあってはならない。
合理的な理由があれば待遇差をつけることが可能であるが、その場合は非正規社員に対して説明する義務が生まれる。